再生可能エネルギー
石油や石炭、天然ガスといった有限な資源である化石エネルギーとは異なり、太陽光や風力、
地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのこと。
特徴は
「枯渇しない
「どこでも存在する」
「CO2を排出させない(増加させない)」
の3点
具体的には、下記の7つが定められている
太陽光
風力
水力
地熱
大気中の熱
その他自然界に存在する熱
バイオマス(動植物に由来する有機物
太陽光発電
日本を代表する再生可能エネルギー
太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを
太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法です。日本における導入量は、近年着実に伸びており、
2016年度末累積で3910万kWに達しました。太陽光発電導入の実績では、中国、ドイツとともにリードしています。
特徴
1エネルギー源は太陽光
エネルギー源が太陽光であるため、基本的には設置する地域に制限がなく、導入しやすいシステムといえます。
2用地を占有しない
屋根、壁などの未利用スペースに設置できるため、新たに用地を用意する必要がありません。
3遠隔地の電源
送電設備のない遠隔地(山岳部、農地)の電源として活用することができます。
4非常用電源として
災害時などには、貴重な非常用電源として使う事ができます。
課題
気候条件により発電出力が左右されること。また、導入コストも次第に下がってはいるものの、今後の更なる
導入拡大のため、低コストに向けた技術開発が重要です。
風力発電
風車は再生可能エネルギーの象徴
風のエネルギーを電気エネルギーに変えるのが風力発電。
欧米諸国に比べると導入が遅れているものの、2000年以降導入件数は急激に増え、2016年度末で2203基、累積設備容量は
335.7万kWまで増加しています。
特徴
1陸上と洋上で発電が可能なエネルギー源
日本では陸上風力の設置が進んでいますが、導入可能な適地は限定的であることから、大きな導入ポテンシャルを持つ
洋上風力発電も検討・計画されています。
2経済性を確保できる可能性のあるエネルギー源
風力発電は、大規模に発電できれば発電コストが火力並みであることから経済性を確保できる
可能性のあるエネルギー源です。
3変化効率が良い
風車の高さやブレード(羽根)によって異なるものの、風力エネルギーは高効率で電気エネルギーに変換できます。
4夜間も稼働
太陽光発電と異なり、風さえあれば夜間も発電できます。
課題
世界では風力発電の発電コストは急速に低下していますが、日本の発電コストは高止まっています。また、系統制約、
環境アセスメントの迅速化、地元調整等の開発段階での高い調整コストなども課題です。
水力発電
純国産の再生可能エネルギー
水資源に恵まれた日本では、発電への利用も昔から盛んで、国内でまかなうことのできる、貴重なエネルギー源と
なっています。水力発電といえば大きなダムを想像しますが、近年は中小水力発電の建設が活発化しています。
中小水力はさまざまな規模があり、河川の流水を利用する以外にも、農業用水や上下水道を利用する場合があります。
すでに開発ずみの大規模水力に比べて、まだまだ開発できる地点が多く残されており、今後の更なる開発が期待されます。
特徴
1安定供給
自然条件によらず一定量の電力を安定的に供給が可能
2長期稼働
一度発電所を作れば、その後数十年にわたり発電が可能。
3低炭素
発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギー。
4成熟した技術力
長い発電の歴史を通じて数多くの技術・ノウハウが蓄積。
課題
1初期リスクの低減
事業の開始前に河川流況の長期にわたる調査が必要であり、開発初期におけるリスクが大きい。
2地域理解の促進
環境への影響の理解や水利権の調整など地域住民等の理解促進が不可欠。
3コストの低減
未開発地点は奥地かつ小規模なため、開発済み地点とくらべてコストが高い。
地熱発電
火山国・日本の恵み
日本は火山帯に位置するため、地熱利用は戦後早くから注目されていました。
本格的な地熱発電所は1966年に運転を開始し、現在では東北や九州を中心に展開。
総発電電力量はまだ少ないものの、安定して発電ができる純国産エネルギーとして注目されています。
特徴
1高温蒸気・熱水の再利用
発電に使った高温の蒸気や・熱水は、農業用ハウスや魚の養殖、地域の暖房などに再利用ができます。
2持続可能な再生可能エネルギー
地下の地熱エネルギーを使うため、化石燃料のように枯渇する心配が無く、長期間にわたる供給が期待されます。
昼夜を問わぬ安定した発電
地下に掘削した井戸の深さは1000〜3000mで、昼夜を問わず抗井から天然の蒸気を噴出させるため、発電も連続して
行われます。
課題
地熱発電所の性格上、立地地区は公園や温泉などの施設が点在する地域と重ねるため、地元関係者との調整が必要なこと。
地熱直接利用の開発。
バイオマス発電
循環型社会の構築を目指して
バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称。
バイオマス発電では、この生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電します。
技術開発が進んだ現在では、様々な生物資源が有効活用されています。
特徴
1地球温暖化対策
光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しない
ものとされています。
2循環型社会を構築
未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、廃棄物の再利用や減少につながり、循環型社会構築に大きく寄与します。
3農山漁村の活性化
家畜排泄物、稲ワラ、林地残材など、国内の農産漁村に存在するバイオマス資源を利活用することにより、農産漁村の
自然循環環境機能を維持増進し、その持続的発展を図ることが可能となります。
4地域環境の改善
家畜排泄物や生ゴミなど、捨てていたものを資源として活用することで、地域環境の改善に貢献できます。
課題
資源が広い地域に分散しているため、収集・運搬・管理コストがかかる小規模分散型の設備になりがちという課題があります。